部下から上がってくるミスの報告…
部下の指導も上司の役割ですが、どのように叱ればいいのかわからない。
きつく言いすぎればパワハラと言われ、ふわっと伝えると同じミスを繰り返す。。。
いったいどうやって部下を指導していけばいいのかわからない
そんなお悩みはないでしょうか?
今回は、そんなお悩みを解決する「ミスした部下への接し方」について書きたいと思います。
この記事を読めば、部下がミスをした時の正しい叱り方がわかり、部下からのミスの報告を育成チャンスに変えることができます。
3分で読めますので、ぜひ最後まで読んでください。
上司失格・・・私の失敗談
経理部門で課長をしていたあるとき、部下が資料を取り違え、月次決算の数値が間違ってしまったことがありました。
その時、マズい叱り方をして部下のモチベーションを著しく下げてしまった失敗談があります。
あの・・・
A部門に計上すべき費用を、間違ってB部門に計上してしまいまして・・・
部下A君
何やってんの?
月次決算締めてるから、今月の数値は修正できないじゃん!
申し訳ありません。
来月で訂正伝票を計上します。
部下A君
それしか方法ないだろ!
わかりました。来月の修正伝票をすぐに起票します。
部下A君
おいおい、その前にすぐにA部門とB部門に連絡しないと!
予算管理で収支があわなくて困っているだろ!
は、はい。。。
すぐに連絡します。
部下A君
そして、A部門、B部門への連絡が終わり、改めてA君から状況報告を受けることに。
そもそも、なんでこんなことになったの?
前月の資料を更新するとき、部門データの更新を失念しまして・・・
部下A君
A君、凡ミスが多いよ!
前も同じことがあったでしょ?
そうですね・・・
気を付けます。
部下A君
いやいや、A君。
なんでチェックをちゃんとしないの?
いや・・・やったつもりになってしまって・・・
部下A君
つもりじゃだめだよ~
A君、ちょっとズボラしすぎてんじゃない?
すみません、次から気を付けます・・・
部下A君
次から頼むよ!
部下のミスに感情的になってしまった結果、よくない叱り方の代表例みたいな対応をしてしまいました。
このあと、部下のテンションはダダ下がり、しかも何の解決にもなってないという事態に。
このとき、上司としてどうすればよかったのでしょうか・・・?
「次から頼むよ!」って、何の解決にもなってないワン
人格否定もしてるし、ダメな叱り方の代表だワン
こうすればうまくいく!ミスした部下への3つのSTEP
次から頼むよ!って、良く言ってしまいがちですが、ミスした部下にはどのようにして教育すればいいのでしょうか?
ここでは、3つのSTEPを使ってみていきたいと思います。
人格を否定する「なんで?」はNG
ミスの報告をうけると、ついつい感情的になってしまい、「なんでそんなことになったんだ!」と部下を叱責してしまうこともあるかと思います。
そうなると、部下がミスをしてしまった理由を「なんで?なんで?」と深掘りしてしまいがちです。
このようにマウントをとった状態で対話を進めると、ミスが起きた事実関係ではなく、「やるべきことをやらなかった部下」「なまけぐせのある部下」「部下の能力が低い」など、部下の人格否定をしてしまうような発言に繋がりかねません。
そうなると、建設的に部下を叱るという次元ではなく、単なる叱責となり部下の人格否定の場となってしまいます。
もし、感情的になってしまったときは、発言する前に10秒待ってみてください。
その間に怒りも落ち着き、ミスが起きた事実関係をしっかりつかもうと考えられるようになってきます。
事実関係をたんたんと把握する姿勢を持つ。これでようやく、再発防止に向けた部下との対話ができるようになり、次につなげるアイデアに繋がるのです。
その場しのぎの改善策に陥らない
部下と建設的な対話ができる環境になったあと、再発防止策の検討をどのように進めているでしょうか?
もし、簡単に解決策を見つけられるような内容であれば、次からその再発防止策を実行できる仕組みを部下に作ってもらえばいいのですが、結局、「次から気を付けよう」的な内容となり、その場しのぎの改善策になっていないか注意が必要です。
例えば、今回はExcelデータをコピーするときに手順を漏らしてしまったので、手順書にコピーの手順を明記する、という改善策を取ったとしましょう。
手順書にその一文をいれたとしても、次回作業時に手順書を見なければ同じミスが起きてしまいますし、そもそも手順としてわかりにくく、ワークシート自体を改善したほうがいいのかもしれません。
このように根本的な改善策を検討するためには、別途、期日を決めて再発防止策を報告させるようにしたほうが、今後の再発防止や部下自身の気づきに繋がります。
このとき、注意しないといけないのは、報告期日を決めておく!ということです。
管理職は忙しいことが多く、部下が対応できたときに報告をもらうとしていた場合、部下がすっぽかしてしまうとそのまま流れてしまい、いつか同じミスを起こしてしまうことに繋がります。
期日を決めておくことは、部下にとってもゴール逆算で考える訓練となりますし、上司にとっても報告漏れを防ぐことができます。
絶対に報告期日を決めて、手帳やOUTLOOKに予定を入れておきましょう。
部下の強みや弱みを理解する
再発防止を検討するときに、部下の強みや弱みを理解したうえでアドバイスするのが重要です。
たとえば、PC操作が苦手なタイプなのか、スピードが早いがポカをしやすいタイプなのか、入社間もない状態で作業が理解できていないのか、部下のタイプを見極める必要があります。
例えば、真紀子魅力はあるけどPC操作が苦手な部下には、その部下自身にワークシートの改善に力を入れさせても望む成果を得られないでしょう。そのような場合は、PC操作が得意なメンバーの力を借りるよう促すことが必要です。
逆に、スピードが早いがポカしやすいのであれば、部下のスピードを生かし、その部下自身にワークシートの仕組み改善を促せばいいわけです。
入社間もないのであれば、逆にそれを生かして、部下自身が理解できていないことを洗い出すことからスタートすることで誰でもわかるような形で改善策を検討することができます。
指示される部下としても、自身の強みを認識してくれている上司からの提案の方が、モチベーションを維持して改善策を検討することができるはずです。
まとめ:次につなげるにはどうするか?を考える
これまで、ミスした部下への3つのステップを解説してきました。
- 人格を否定する「なんで?」はNG。対話による事実関係の把握に努めること
- 根本的な改善策を検討するには、別途期日を決めて報告の場をつくること
- 部下それぞれの強みに応じたアドバイスで、部下のモチベーションを維持すること
これらのことは、結局は「次につなげるにはどうするか?」を考えるということなんです。
ミスの報告を受けるときは、どうしても感情的になりがち。
部下を責めるのではなく、「次につなげるには」という思考を持つことがとても大事になってきます。
そのうえで、3つのSTEPを意識していけば、今後のミス防止とともに、モチベーション改善にもつなげることができます!
明日からぜひ、次につなげるための3つのSTEPを意識してみてください。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。